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世の中には涙を誘う感動的な物語や勇気付けられるさわやかな物語がたくさんあります。
本来ミステリ好きな管理人「おとぎ」が、色んな本を読んで感じたことを綴ります。 コメント、トラバ大歓迎! 特に、同じ本の感想のトラバは、こちらへのリンクが無くてもOKです! 管理人の読書感想サイト「おとぎのミステリルーム」もよろしく! 2006読了本ランキング(暫定・制作中)もあります。 おとぎのミステリルームのサーバーのジオシティーズが閉鎖になるので、過去の感想をこちらに再掲載しようと思っています。 2006.11.16 Thursday
容疑者Xの献身
容疑者Xの献身 東野 圭吾 総合評価★★★★ (感心度★★★★★ 面白さ★★★★★ 読後感★★★★★) やっと読むことが出来ました。 このミス、本格ミス、直木賞と昨年、名実ともにナンバー1ミステリの地位を確立した話題の作品です。 読み始めたときは普通の感じでしたが、途中から臨場感というかジワジワ感で読むのがやめられなくなりました。 石神対湯川という天才同士の対決は、単なる頭脳合戦ではなく、心情の奥深くまで踏み込んだもので、このあたり文学作品としてのすごさを感じます。 作品全体の印象としては、本格ミステリでありながら、非常に情の深い小説になっていると思います。 しかも、東野さんの作風でもあるのですが、心情描写が非常にあっさりしているにもかかわらず、登場人物に感情移入してしまう。つまり、最低限の描写から、読者に奥底まで想像させてしまう「白夜行」などの手法です。 たとえば、娘の美里など、結構重要人物なのに、極端に描写シーンが少ない。しかし、彼女が小説の中で果たす役割はきっちりと果たされ、小説として問題はない。美里の行動・心情のほとんどは読者が推し量るようになっているのです。 私は、「秘密」「白夜行」などで直木賞をとるべきだと思っていたのですが、この作品は小説としてそれらの名作に匹敵すると思い直しました。 そして、本格ミステリとしての評価。 正直、スゴイと思います。漠然と想像してはいたものの、この小説でのこのトリックの用い方は素晴らしいです。細かい点がどうというより、石神の心情とトリックのすごさが完全にマッチしている点が驚きです。 ミステリのためのトリックではなく、トリックが本当にこの小説の必然となっています。技巧がすごいのではなく、トリックが小説と一体となって自然に溶け込んでいるのがすごいのです。 近年で最高傑作の本格ミステリと言ってよいと思います。 この名作を読み終えた今、「このミス」「本ミス」ダブル1位を獲得したことに関して、ただ頷かざるを得ません。
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