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世の中には涙を誘う感動的な物語や勇気付けられるさわやかな物語がたくさんあります。
本来ミステリ好きな管理人「おとぎ」が、色んな本を読んで感じたことを綴ります。 コメント、トラバ大歓迎! 特に、同じ本の感想のトラバは、こちらへのリンクが無くてもOKです! 管理人の読書感想サイト「おとぎのミステリルーム」もよろしく! 2006読了本ランキング(暫定・制作中)もあります。 おとぎのミステリルームのサーバーのジオシティーズが閉鎖になるので、過去の感想をこちらに再掲載しようと思っています。 2005.01.30 Sunday
ニッポニアニッポン (阿部和重)
ニッポニアニッポン 阿部 和重 総合評価★★★ (感心度★★ 面白さ★★★ 読後感★★★) 直木賞作家阿部さん初読みです。 この本は題名の通り、学名ニッポニアニッポン、すなわちトキのお話です。 トキに対して異常なまでの執着を見せる青年の奇行を描いた作品で、わかりやすいテーマです。おお、文学!って感じの内容です(うーむ、これじゃ伝わらないか) 最初はあんまり面白くないなあと思ってたんですが、途中から結構味のある話になってきます。文体は違いますが、舞城作品に通じるような感じもします。 終わってみればそこそこ読みやすかったかなあ、と思います。 トキの保護政策の批判などもあって社会派文学要素もあります。 初めてこの作家を読むには、軽めで丁度いいのではと思います。 ただ、テーマ自体が肌に合わない人もいるかも。 2005.01.27 Thursday
明日の記憶 (荻原 浩)
明日の記憶 荻原 浩 総合評価★★★★ (感心度★★★ 面白さ★★★ 読後感★★★★) 若年性アルツハイマーの主人公の苦悩を描いた感動的な小説です。 多くの読者がこの本を読んで、「若年性アルツハイマー」が発祥するとはどういうことか、その苦しみはどれほどのものか、と自分自身のこととして考えさせられるでしょう。 単なる「物忘れ」とか「記憶力が落ちる」ということとは全く別の世界があるのは、かなりの衝撃でした。 人間にとって記憶とは何なのか?ということまで考えてしまいました。 物語は非常に淡々と進んでゆくのですが、逆にドラマのようなかけ離れたものでなく、かなり現実味のある物語として感じられます。 ラストはある意味美しく希望にあふれた演出ではありますが、実際問題、そこから始まる本人及び周囲の困難はより深刻さを増すのでしょう。 こうしてみると私たちが普段当たり前に行っている「記憶」という行為がいかに素晴らしい奇蹟のようなことであると感じずにはいられません。 ビジネスの世界、あるいは学業などでも「覚えているのが当たり前」みたいな風潮があり、それは別に変ではないのですが、「記憶」にあまりに依存した社会は何だかすごく脆い気がします。 2005.01.23 Sunday
BG、あるいは死せるカイニス (石持浅海)
BG、あるいは死せるカイニス 石持 浅海 総合評価★★★★ (感心度★★★★ 面白さ★★★ 読後感★★★) 生まれた時は皆女性で、その一部が大人になって男性化するという特殊な世界を舞台に繰り広げられるミステリです。 設定自体はかなりユニークですが、性転換するという点を除けば現代社会と外観上は変わらないので無理なく読めます。 まあ、一夫多妻制の通い婚とかでも何となく想像出来ますし・・・。 この状況で連続殺人事件が起こるわけですが、石持氏得意の論理が冴え渡ります。 ただ論理的推理の過程よりも真相の鮮やかさに面白さを感じました。 この作品も途中で興味が薄れ、結局読み終えるのに2週間ほどかかってしまいましたが、後半は加速度的に面白くなりました。 それまでもわっとしていた謎の霧が晴れていくように・・。 最後はSF的なスケールの大きな展開になり、ある意味感動を覚えるのですが、それをもって読後感良しとするかは微妙なところ。 本格ミステリとしての評価はつけ辛いのですが、「ミステリフロンティア」には最もふさわしい作品の1つと言えるのではないでしょうか? 2005.01.21 Friday
ボーナストラック (越谷オサム)
ボーナス・トラック 越谷 オサム 総合評価 ★★★★ (感心度★★★ 面白さ★★★★ 読後感★★★★) 第16回ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。 幽霊が活躍するユーモアホラーですが、読後感は良かったです。 ある夜、ひき逃げを目撃し、被害者を介抱した草野の前に、幽霊が現われます。それは、介抱むなしく死んでしまった被害者の若者亮太の幽霊です。最初はいぶかしがっていた草野ですが、やがて二人は一緒にひき逃げ犯人探しをし始め・・・。 というような展開なのですが、この幽霊がなかなか面白いやつです。草野の性格も好きだし、ハンバーガーショップの店員たちもいい感じで、ミステリ興味もあって読んでて面白かったです。 「幽霊物」というと本格的なホラータイプの作品より、こういうお気楽系の話が好みです。しかも後半はなかなか感動的な場面も。おもわずジーンと来ます。 今気づいたですが、私って「タイムトラベル系」と「幽霊系」の作品が特に好きみたいですね。宮部さんの「あかんべえ」も幽霊物ですし。 2005.01.19 Wednesday
読んだ本の評価
読んだ本の評価について。
ブログ開設以前、サイトを開設した4年前からずっと5つ★による5段階評価をしてきましたが、最近どうも自分でもわかりにくいなあ、と思うようになりました。 やや辛口で平気で★1つなどという評価もつけてしまうのですが、評価ほど悪くは思っていない作品が多いですし、5つ★でもそれぞれ差がありますし。 かといって10★にすると多すぎるし・・。 というわけで、従来の評価を総合評価として5つ★で表わし、さらに評価の内容を「感心度」「面白さ」「読後感」の3要素にわけて5つ★で示したいと思います。 「感心度」とはトリックだとか設定だとか、文体だとか、作者の挑戦姿勢が感じられるような巧さがみられるかどうか。「ほうっ」と唸らせるものがあれば・・。 「面白さ」は読んでる途中の面白さですね。ページをめくる手が止まらないとか、笑いが止まらないとか、涙が出っ放しとか・・・。 「読後感」は文字通り読み終えたときの感じです。余韻がどれだけ残るか、後味が良いのか悪いのか。再読したくなるかどうか・・。 つまり私の好む理想的な本というのは、面白くて感動できるだけじゃなく、感心できるようなものっていうことですね。 2005.01.15 Saturday
2005年本屋大賞
「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」を選ぶ「2005年本屋大賞」の一次投票の結果が発表され、10作品がノミネートされました。
昨年は小川洋子さんの「博士の愛した数式」が受賞し、読書家のみならず一般でもちょっとしたベストセラーになりましたね。 投票は書店員しかできませんが、読書家としては注目しておきたい賞でしょう。 作品そのものの面白さでいえば、芥川賞や直木賞より信頼性があると思います。 今年のノミネートも、さすが書店員という感じの傑作が並んでいます。 本当見ているだけで嬉しくなるようなラインナップですね。 とはいいつつほとんど読んでないのですが・・・・。 でも他の人の書評で見知った作品ばかりで、全部読んでみたい作品です。 直木賞の「対岸の彼女」は有力でしょうが直木賞とWではつまらないので、恩田陸とか伊坂あたりが取ると喜ぶ人が多いのでは? いずれにしろ何だかワクワク。 2005.01.11 Tuesday
被告A (折原一)
被告A 折原 一 ★★★ ジョーカー連続殺人事件の容疑者として逮捕された田宮亮太(被告A)は、北沢刑事の執拗な取り調べに自白を強要される。そして被告Aは重大な決断をすることになるが・・。一方、浅野初子は、ジョーカー事件の5番目の犠牲者として息子が誘拐されたことを知り、犯人との接触を試みるが・・・。 ストーリーは非常にわかりやすいです。容疑者の取り調べ→裁判というラインと、5つ目の事件である誘拐のラインの2つの線が交互に語られます。 「裁判や誘拐の行方」という興味で最後まで引っ張るわけですが、そこは折原一。またしてもとんでもないことをやらかしてくれます。 物語の奥深さもなく、感情移入もし難いし、読後感もよくないのですが、中途半端に重いテーマにするよりこの程度の軽い仕上げにしたことでミステリとして純粋に楽しめるようになったのだと思います。 荒さもかなり目立つ作品ですが、折原ものとしては割と読みやすくいい感じではないでしょうか。 2005.01.10 Monday
たらいまわし・本のTB企画「第9回」
やってきました!たらいまわしトラバ企画。
第9回のお題は、◆ ワルツの「うたかた日記」 ◆のワルツさんが考えてくれた 『 歴史もの・オススメ本!』 。 歴史物は好きです。特に日本の歴史では戦国時代もの、中国では三国志や史記がやっぱり面白いです。 ですが、今回紹介する作品は、本線から逸れているかも・・・。 とりあえずオーソドックスに。 ◆ 謀将 直江兼続〈上〉謀将 直江兼続〈下〉 南原 幹雄 上杉景勝を支えた知将直江兼続の活躍を描いた歴史小説。史実に基づいていますが、「もし、こうだったら」という仮想史でもあり、読み物として面白いです。 君の名残を 浅倉 卓弥 以前ブログでも紹介した作品。今年の大河ドラマと同時期を描いた歴史物ですが、史実とは違う著者独特の加工がしてあります。 さて、ここからは誰も書かないであろう邪道な方面へ。 歴史ものといえば、やっぱり歴史ミステリでしょう。 一口に歴史ミステリといっても、大きくわけて「歴史上の人物が事件に遭遇する」タイプと「後の時代の人が歴史の謎に挑む」タイプの2種類があります。 前者のおすすめは、 千年の黙―異本源氏物語 森谷 明子 平安中期、貴族文化まっさかりの時代ですね。 名探偵群像 シオドー・マシスン, 吉田 誠一 海外物ですが、歴史上の有名人物が探偵役となって事件の謎を解く短編集です。 これを歴史物と呼ぶのはかなり苦しいか・・・。 後者のおすすめは 邪馬台国はどこですか? 鯨 統一郎 邪馬台国の謎、イエスキリストの謎など歴史上の謎をばっさりと解明していくミステリ短編集です。これを読んだら歴史に詳しくなる!わけではないでしょうが、歴史が好きになるかも! 2つのタイプの融合型としては 猿丸幻視行 井沢 元彦 折口信夫が猿丸太夫の謎に挑戦します。 2005.01.08 Saturday
本格推理委員会 (日向まさみち)
本格推理委員会 日向 まさみち ★★★ 第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作! 京都府立大文学部在学中の著者が書いたライトノベルミステリ。 題名から想像するとコチコチの本格ミステリかと思いきや、実はキャラ萌え学園青春ミステリ。 なんのことはない、主婦としては無能な作家の母と可愛い妹を持つ主人公の高校生が、突然出来た校内の本格推理委員会に無理やり引きずりこまれる、と言うお話です。 こういうタイプの物語が苦手な私は、読み通すまでに述べ1ヶ月以上かかってしまいました。 ・・・ですが、この本は意外に奥が深いです。 単なるライトノベルではなかったです。本格ミステリとしても、粋な小トリックやあっと驚く仕掛けもあり、そこそこ楽しめるのですが、本当に描かれているのは、登場人物たちが人生の高い壁を乗り越えて成長してゆく様なのです。 確かに特殊な境遇の人々ばかりで現実離れしていますが、その中で悩み苦しみ悲しみ喜ぶ様は、現実への大きな道標になり得るのではないかと思います。 かなり異色のミステリですが、これがシリーズ化されても結構面白いのではないかと思います。
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